混合交通状態における車両間スペースと区間の平均速度の関係に関する研究

摘要

近年,東南アジアでは交通需要が増大し,交通渋滞が深刻な社会問題となっている.また，図-1のように車線の概念が無く各車両は道路上を自由に走行しており,二輪車と四輪車とが相互に影響を与えるような混合交通流となっている.本研究の対象地であるベトナム・ホーチミン市においても,混合交通流による渋滞が深刻な問題となっており,渋滞緩和のために様々な対策が実施されている.しかし,混合交通流では,レーンのある道路と同様の手法は適していない.また,混合交通流を評価するためのモデルすら十分に確立されていない.そのため,混合交通流において,道路ネットワーク全体を評価するモデルの確立が必要である.本研究はビデオカメラによる交通流観測を行いNairらの手法を参考に車両間スペースに着目した分析をすることで,車両間スペースの大きさよりマクロ的に区間の平均速度を予測可能とすることを目的とする.