黄砂バイオエアロゾルから分離された４種の真菌類のマウス肺におけるアレルギー炎症の比較

摘要

春先の黄砂飛来とスギやヒノキの花粉の飛散時期が重なることや、小児等の気管支喘息が増加していることから、黄砂によるアレルギー疾患（花粉症・喘息）への影響が危惧されている。事実、疫学研究においては黄砂飛来とアレルギー疾患増悪との関連が示唆されている。一方、我々は、黄砂に付着している微生物成分がその増悪に関与していることを実験研究において報告してきた。現在、我々はどのような微生物がアレルギーの増悪に関与しているのかを調査している。昨年度は黄砂バイオエアロゾルから分離した5 種の真菌について、真菌単独曝露の場合と真菌+黄砂の複合曝露を行い、マウス肺におけるアレルギー性気道炎症の増悪作用を比較した。真菌単独曝露の場合、試験した真菌類の中ではConiothyrium fuckelii（Conio）による喘息病態が一番強いことが分かった。今回、Aspergillus niger（Asper）、Alternaria Alternata（Alter）、Myriangium duriaei（Myrian）と前年度の比較のためにConio を加えた4 種の真菌の単独曝露によるアレルギー性気道炎症への影響を調べたので報告する。真菌+黄砂の複合曝露の影響については次の演題で報告する。