PAHs と Oxy-PAHsの降雨による陸水への移行性

摘要

多環芳香族炭化水素類(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons,以下PAHs)はバイオマスや化石燃料の 燃焼によって生じ、煤などの粉塵に吸着して大気中へ拡 散する。大気中のPAHsは乾性沈着又は湿性沈着によつ て、地表面や河川等に堆積することが報告されており、 また一部の物質には発がhリスクが指摘されている。更に、 PAH酸化物(Oxygenated PAHs,以下Oxy-PAHs)は PAHsよりも強い毒性や変異原性を持つことが知られてい るが、Oxy-PAHsの定量的データは未だ少なく、環境 中PAHs と Oxy-PAHsの対策が重要視されている。 本研究では、降水中とその前後における大気中の16 PAHsと6 Oxy-PAHsの濃度を測定、分析、評価すること で季節での濃度変動や、PAHs と Oxy-PAHsの発生源 推定、陸水への挙動調査を目的とした。