動物由来薬剤耐性菌/耐性遺伝子と水圏環境の関連

摘要

現在、医療や獣医療において複数種類の抗菌性物質が使用されており、使用に伴い多数の薬剤耐性菌が出現している。薬剤耐性問題は国際的に取り組むべき重要な課題であり、ヒト、動物、環境などの分野を含む「One Healthjの観点から対策に取リ組むことが重要である。我が国では、動物由来薬剤耐性菌の現状について、1999年よリモニタリングが始まった（JVARM)。しかし、動物や環境が保有する薬剤耐性菌/耐性遺伝子のヒ卜への伝播経路については不明な点が多い。そこで、我々は、動物と環境を対象としたワンへルスアプローチによる研究を展開してきた。今回、水圏環境や難培養細菌にフォーカスを当てた我々のワンへルスアプローチの成果の一部について紹介する。