せh断ストレスの低減が染料脱色と微生物群集に与える影響： コンパニオンストレインの探索

摘要

持続可能な社会の実現に向け、世界の染色排水の生物処理の重要性は高まっている。しかし、生物処理は脱色が不十分なことや安定的な脱色が困難であるという理由から、汚泥発生量の多い物理化学処理が採用されていることも多い。本研究では、脱色によって生成する芳香族アミンの分解を担うコンパニオンストレインと、エアレーションのせh断ストレスの低減の二つが生物処理による脱色を持続させる鍵であると考えている。コンパニオンストレインとは、それぞれ単独で増殖できるが、共培養することで難分解性物質の分解を促進させることができる株のことである。たとえば、アゾ染料の分解により生成する物質の一つにスルファニル酸がある。このスルファニル酸を分解する株と、全くスルファニル酸を分解しない株を共培養することで、スルファニル酸の分解速度が向上したという報告がある。この2つの株の関係は、スルファニル酸を分解する菌とスルファニル酸分解後の物質を利用する菌の関係であると考えられる。このことから、複数の細菌を組み合わせることで脱色と芳香族アミン分解を促進させることが可能であると考えられる。そこで、脱色能力を持つ分離株を用いて、脱色を促進するコンパニオンストレインの組み合わせについて検討を行った。