海洋堆積物におけるアマモ由来炭素量解析によるブルーカーボン量の評価

摘要

ブルーカーボンとは，海洋生態系において堆積物内に隔離•貯留される炭素(UNEP, 2009)であり，地球温暖化における二酸化炭素濃度増加の抑制への適応策として研究が行われている.ブルーカーボンは主にアマモなどの海草類が炭素を取り込hだ後に枯死し土壌に堆積することで生産される.海草類が炭素固定に与える影響については定量的解析が進みつつあるが，堆積時間の経過による炭素固定量の変化については未だほとhど研究がなされていない.本研究では小川原湖コアサンプルを用いて，堆積年代別での長鎖脂肪酸(LCFA)量，炭素安定同位体比の解析を行い，各層における粒子性有機態炭素(POC)量を推定することで堆積時間による炭素固定量の推移を考察し，アマモの炭素固定能力を評価した.また，コアサンプル内のアマモDNAを計測し，アマモ草体自体の堆積年代別での残存状況を評価した.