熱ストレスに対する感受性差と免疫応答: 熱中症モデルマウスを用いた解析

摘要

近年、都市部を中心とした高温化の傾向から、一般的な生活環境における熱中症が問題となっている。また、救急搬送者情報の分析から、性別?年齢による発生率や重症度の相違が示唆され、各世代を通して男性で高いことや、男女ともに65 歳以上で高いことが報告されている。熱中症の重症化には、臓器虚血と臓器障害の進行に加えて、全身性の炎症反応の関与も示唆されており、実験動物を用いた研究でも、肝障害や炎症性因子の発現増加に関するデータが蓄積されつつある。