都市河川と小規模池のリン除去対策への焼成カキ殻付水上ドローンの活用

摘要

湖沼では，自浄作用を超える過剰な外部流入負荷とその堆積・滞留，富栄養化による内部生産により，水質汚濁化が構造的に起こりやすい1）．そのため，環境基準達成率としては，H27年度の河川のBODは95.8％である一方，湖沼のCODは58.7％と低く，かつ，湖沼の環境基準達成率は経年的に横ばい傾向である2）．この水質汚濁や富栄養化原因物質である窒素NやリンPの比を調べると，多くの湖沼ではN/P比が16を上回るというリン制限型となっている3）．そのため，汚濁負荷対策としては，リン負荷の削減が重要となる．流域からのリン負荷量の一例として，長年富栄養化が問題の印旛沼流域のリン排出負荷としては4），浄化槽からの負荷量が合併・単独分を合わせて約30％と高く，次いで市街地面源負荷が24％と大きな割合を占めている．そのため，浄化槽由来及び市街地由来のリン除去対策の検討が特に必要となる．