真の赚可能社会に向けて: 必要条件としての災害被害最小化

摘要

昨今、国連が制定したSDGs、持続委可能社会達成への17項目の目標が世間に広く知られるようになり話題になっているが、後戻りなく持続可能社会に近づくためには災害被害により社会基盤をゼロから作り直すような事態をできるだけ避け、被害を最小限にとどめなければならない。その過程には当然、気候変動の影響を最小化する努力も含まれる。農耕定住1万年の歴史からすれば、少なくとも1万年は存続できる人類生活でなければ真の持続可能社会とは言えない。21世紀はその出発点となる時代であり、その経路としてParis協定達成に向けた温室効果ガス排出削減、21世紀末に排出ゼロを目指した世界的な社会大変革を開始しなければならない。地震、津波、台風、火山爆発が避けられない日本列島に暮らす日本人は世界に先駆けて災害被害を最小限にとどめる努力を試行錯誤を、その経験の蓄積を図ってゆかなければならない。この特別研究はその第一歩となるものである。