ホールスラスタプラズマプルーム解析のための３次元静電粒子コードの開発

摘要

本稿では，現在開発を進めているホールスラスタ搭載衛星の機体設計に貢献することを目的とした，スラスタプルームと宇宙機構体との相互作用を解析する数値シミュレーションツールの開発状況を述べた．本コードは，工学設計段階における多数のパラメトリックランに対応すべく， スラスタプルームと宇宙機の電気的および機械的相互作用を高速度に求めるためにPIC 法と粒子軌道追跡法から成るアルゴリズムを採用している．現在までに，ホールスラスタから放出されるイオンビームおよび中性ガスの密度分布計算，CEX イオンの生成と電位計算機能が完成している．今後は，粒子軌道追跡法を適用した，スパッタリングなどのイオンビームおよびCEX イオンと宇宙機の相互作用をモデル化していく．また，実際の解析対象となる大型衛星の解析を実現するために，計算資源の利用効率を向上させる多重格子法の導入を検討していく予定である．