モーションベースを用いた歩行ロボットの搭乗感向上およびVR酔い軽減に関する検討

摘要

近年の我が国における超少子高齢化社会の問題を背景に，健康寿命延伸のためには運動不足の解消に向けて日常的に運動することが必要である。また，運動不足は体力や運動機能を低下させるだけでなく，肥満にもつながり，生活習慣病の重大な危機因子として注目されている。このような運動不足を解消する方法の一つに乗馬療法がある。乗馬療法によって期待される効果として，平衝機能?姿勢保持機能の改善等の身体的効果や，意欲?注意力の向上，抑うつの改善等の心理的効果などが挙げられる。このため四宫らは簡易型乗馬療法機器を開発し，機器の動作について，常足動作を1)左右軸を中心とした回転運動および前後軸を中心とした回転運動と2)前後方向への平行運動，左右軸を中心とした回転運動，および，前後軸を中心とした回転運動の2つに絞り込み，これらの動作時において筋電計測による評価の結果，より筋放電のある後者を機器の動作として決定した。また，この機器によって，体幹および下肢の筋力増強が十分に見込めることが報告されている。