病院の外来部と診療部に見る機能の細分化の傾向に関する研究:韓国のS 病院を事例として

摘要

病院建築計画分野では各時代毎に挙げられている特徴が変化してきた。1990年代に入っては｢患者サービス｣、「患者アメニティ」といった概念が注目され、病院を医療提供側ではなく病院を利用する患者の立場から考えていこうとする動きが始まる。こういった状況の中、｢患者サービス｣、｢患者アメニティ｣を実現させるため、様々な試みが始まれ、中でのひとつが病院機能の細分化といえるだろう。文献1によると病院での部門は医療提供側の業務を合理的･効果的に実施するために集中化されたが、これはあくまでも医療提供側の論理であったとされている。医療提供側の立場での病院機能の集中化が患者に取っては不便なものであり、これを解消する考え方として病院機能の細分化が取り上げられたのである。