経路探索時における交差点の視覚的要素に対する記憶:ＧＰＳナビゲーションと紙面地図による記憶の相違

摘要

ＧＰＳナビゲーション(以下、ＧＰＳナビ)付きの携帯電話が普及してきており、初めて訪れた地域においても、最短距離で目的地まで経路探索することが容易となった。初めて訪れる場所での経路探索が格段に容易になった一方で、ＧＰＳナビを用いた経路探索者は歩行時の注意を集中的に機器に向けるため、歩行中の実空間に対する知覚や記憶の形成に何らかの影響を与えていると考えられる。本研究では、初めて訪れる地で経路探索を行う際に、ＧＰＳナビを用いる場合と紙面地図を用いる場合で、経路探索後に覚えている空間の視覚的要素に相違があると考え、特にこれを交差点の場面に代表させて、記憶される視覚的要素の相違を確かめることを目的とする。