「祠堂記」にみる元代の祠堂について: 朱熹『家礼』の受容を事例として

摘要

本稿で用いた「祠堂記」の記述をまとめると、元代の世俗が『家礼』に倣い礼行することは、未だ一般的ではないなかで、祠堂の制のように造営する者、或いはそれを超えて拡大に及ぶ構成、居住地や住居から祠堂へ転用する事例もみられるなど『家礼』が普及されていく過程を窺えた。