神楽坂通りにおける階段室表出型ファサードの現状と形成要因及びその影響に関する研究: 法制度、景観、住民意識の視点から

摘要

神楽坂特有の地割り、狭い間口は神楽坂のアイデンティティであり、守るべき文化、景観であると考える。一方、そのためにファサードに階段室が頻出している。神楽坂の商店街の街並みは地域の歴史や産業に根差したものであり、その特性を守っていくためには、防災的な対応方策を含めた景観形成ガイドラインなどを設けることが必要である。また、法令の複雑化が規制の複雑化につながり、建築計画全体や街並み景観に及ぼす影響については十分に考慮されていないと考えられる。防災、避難面に関する法制度の総合的な見直し、統合化、再整理などが今後の課題として挙げられる。