Geoffrey Bawa の景観にみる　設計手法「建築の造園的拡張」に関する研究: 週末住宅《Lunuganga》(1948-1998) の設計過程を通じて

摘要

Geoffrey Bawa（1919-2003）（以下、G.Bawa）は、スリランカを中心に活動した建築家である。 熱帯の特有な気候を生かした設計で知られる。一方で、彼の思想はイギリス、イタリア、中国に大きな影響を受けている。さらに、分野を超えた人物との関わりが多く、主にUlrik Plesner, LakiSenanayake, Bevis Bawaから大きな影響を受けている。G.Bawa は建築を考えるときのことを「小さく重要ではないが美しい建物のある風景や大きくて素晴らしい風景に目を奪われた例はたくさhあった。これらの建物、庭園、風景の美しさは、潜在意識として心に残っている。これは、現在のニーズに応えるのに役立つ。」 と述べている。このように彼の建築は、潜在意識の中にある美しい景観の記憶から生まれている。G.Bawa が建築家人生のほとhどを費やして設計し、更新し続けた、《Lunuganga》（1948-1998 年）（fig.1）という作品がある。この作品は、彼の自邸で、彼が建築家になるきっかけとなった作品であり、G.Bawa の理想郷と言われている作品であることから、彼の設計思想が強く反映された作品であると捉え、研究対象とした。