「ふるさと文化財の森」を活用した備後表継承会による普及啓発活動: 藺草栽培を通じた備後表の生産・流通・設計・施工プロセスの解明 その7

摘要

2007 年3 月から、文化財修理に必要な木材や植物性資材を産出している全国における産地を「ふるさと文化財の森」として文化庁が設定している。文化財建造物の修理の際に必要な、木材や檜皮、茅、漆などの資材の確保と、これらの資材に関する技能者を育成することを目的とした制度である。2018 年4 月、著者らは、藺草や畳表業界、建築関係者ら有志と備後表継承会1)（広島県福山市、以下「継承会」）を設立し、2019 年度文化庁「ふるさと文化財の森システム推進事業 普及啓発事業」を受託した2)。この事業には、福山大学備後地域遺産研究会1)（以下「研究会」）が協働した。