小幅CLT を用いた木造在来構法用の耐力壁の開発CLT 壁脚部の集合破壊を抑制するHD 金物の開発

摘要

木造建築物に注目が集まる中、新たな木質材料CrossLaminated Timber(以下、CLT)が期待されている。しかし日本と欧州では想定する地震力の違いや施工条件、道路事情等の違いから日本での普及・発展には更なる研究開発が必要と考えている。当研究室では小幅CLT パネルを施工現場で組み合わせて建設できる木造在来構法用のCLT 耐力壁の開発を行っている。既往の研究では、小幅パネル相互の接合や上下のホゾ接合が上手くいくことを確認した。壁倍率は建築基準法における上限5 倍を超えて6.61 倍を有していた。しかしながらHD 金物取り付け用のビスがCLT パネル中間層の木口部分に密集したことで、集合破壊が発生した。このことから木口部分を避け、HD を留めるビスを外層の木材に打ち込むことで木口面の集合破壊を抑制し、耐力壁の性能の向上を図れるのではないかと考えた。