全天球画像を用いた室内空間の観察特性に関する研究その６ 観察特性と個人特性との関連の実験間比較

摘要

既報1)2)では、スクリーン上に呈示した、住宅展示場15空間の全天球画像の観察実験（以下SCRN）における観察の過程から、独自の指標である「基準化観察率」を定義し求めた観察特性について、観察特性と被験者の個々の価値観を表す個人特性との間に関連のあることを確かめた。また、空間・被験者による観察特性への影響の程度について検討したところ、被験者の違いによる影響の大きいことが示唆された。さらに、タブレット端末やヘッドマウントディスプレイにより呈示される全天球画像の観察実験（以下それぞれTBLT、HMD）での被験者全員の平均的な観察特性について検討、実験間で比較し、大きな違いのあることを確認した。3）本報では、これまで実施した呈示手法の異なる3 実験について、全天球画像の観察特性並びに観察者の個人特性との関連についてさらに深めるべく、呈示手法による観察特性への影響の違いと、全天球画像の観察であるがゆえの共通性について求めることを目的とする。