植物の力学的最適化過程のリアルタイムセンシング法の開発

摘要

植物の力学的な挙動の支配因子の一つとしては，細胞壁という植物固有の組織において水により生じる膨圧が考えられる。植物組織における水の状態を知るための従来法として，水ポテンシャル測定があるが，これは植物組織の一部を加圧容器に入れて大気圧側の切断面からの水の染み出しを見る手法であり，それでは生きた植物組織の水の状態をリアルタイムでセンシングし，植物の力学的最適化過程と関連づけて議論することは難しい。本研究では，植物組織における水の挙動をリアルタイムセンシングするための手法の開拓を目指して，アンテナ型センサーによるマイクロ波を用いた植物中の水のリアルタイムセンシングや，植物の組織レベルでの変化の観察のためのレーザーマーキング法や極微弱発光検出システムを用いた検討を行ったので報告する。