超音速分子ジェット多光子吸収イオン化質量分析装置を基本とした高温炉内微量ガスリアルタイムモニタリング分析装置の開発--イオン化過程によるSiO分子検出の違い

摘要

超音速分子ジェット多光子吸収イオン化質量分析（Jet-REMPI）装置は、高炉や焼却炉に代表される高温炉内から放出されるガス成分の高感度オンサイト·リアルタイム検出技術として期待されている。 我々は、これまでレーザアブレーション技術と超音速分子ジェット多光子吸収イオン化装置を組み合わせて試作した不安定ガス種生成·検出装置を用いたSiO分子およびSi_xO_yクラスターの検出について報告した。SiO分子は、高炉内における脈石成分の分配状態や炉内の酸化還元雰囲気を予測する上で、重要な指標となると期待される。今回は、レーザアブレーションー超音速分子流形成法とシリコンウエハを大気中で急速加熱することによりSiO分子を形成する方法の違いによる比較と、1色3光子イオン化と2色3光子イオン化過程を経由した選択イオン化により、SiO分子を高感度選択検出できるかについて更に詳細に検討したので報告する。