遺伝子組換えノロウイルス外套タンパク粒子(rNV-VLPs)を用いたヒトノロウィルスの浄水処理性評価

摘要

本研究では，細胞培養系が確立されていないヒトノロウィルスの凝集沈澱処理性を，ヒトノロウィルスの外套タンパク粒子(rNV-VLPs)を用いることによって評価した.また，病原性ウィルスの代替指標として広く用いられている大腸菌ファージQβ，MS2との処理性比較を行った.凝集沈澱処理におけるrNV-VLPsの除去率は，40μM-Alのポリ塩化アルミニウム(PAC1)添加濃度を用いた場合，約1 logであった.また，得られたrNV-VLPsの除去率は，MS2の除去率よりも低く，Qβの除去率と同程度であった.従って，MS2に比べてQβがヒトノロウィルスの凝集沈澱処理性を検討する際の指標と成り得る可能性が示唆された.