ポリアセタールのパルスレーザーアブレーションにより発生する力積の数値解析

摘要

本稿では，2次元軸対称レーザーアブレーションコードを用いて完全気体モデルと熱化学平衡気体モデルの2通りについてシミュレーションを行った.本計算条件では，レーザー強度がピークになる約0.05μs～0.2μsの範囲で起こる水素分子の解離反応がPOM表面に発生するに影響する.熱化学非平衡気体モデルにより，レーザー中心部でのアブレーションガス圧力は再現しうる可能性を見出した.ただし，本計算モデルだけでは，レーザー照射面全体で生じる力積を再現できず，TEACO_2レーザー照射によるPOMの力積発生過程を解明するには至らず，さらにレーザー光とPOM間の干渉で起こる詳細な物理モデルを導入する必要性が示唆されたと考えている.