前川國男設計の美術館·博物館に関する研究(1): 9作品のロビー空間における空間構成の特徴

摘要

前川國男(1905-1986)は、戦前から高度経済成長期に到る日本近代建築の草創と社会への定着において主導的な役割を担った建築家として広く知られている。近年、日本近代建築の意義を再検討し、その作品群を再評価する動向は活発化しており、前川に関してもすでに多くの言説が存在している。しかし彼の建築作品を対象とした建築意匠学的な観点からの研究はほとhど存在しない。