問屋街建築の更新に関する実態調査: 日本橋横山町問屋街を事例として

摘要

戦後の近代化に向けた都市復興以来大量に建設されてきた建築群は、建築の劣化・老朽化(ハードの変化)が進み、人々の利用形態が変容(ソフトの変化)し、近代的建築の史新が社会的要求となってきている。なかでも、卸売り問屋業の利用を目的とした建築は、流通形態や産業構造の変化などの影響を強く受けて問屋業そのものが変化し、空室や倉庫などの低未利用なフロアが増加してきており、その有効利用が課題となっている。本研究では、問屋街において特徴的な建築の型式を問屋街建築と定義し、それらの更新に際しての展望を示すため、複数建物の実態調査を行い課題と特性を整理した。