参詣方法に着目した宗教都市の景観形成過程に関する研究: 成田山門前町を事例として

摘要

現在の日本の都市における宗教の位置付けは、無宗教者の多い日本人にとって関心が薄いことからかなり低く、近代以降の都市空間史においてはほとhど無視されていると言ってよい。しかし、日本では初詣や祭りといった参詣が時に大規模に行われており、その場まで行くための参詣方法の変化が景観形成に何らかの影響を与えているのではないかと考えられる。そこで本研究は、大規模な参詣が見られる事例として、全国で屈指の初詣客数を誇り、木造4階建ての旅館等で現在でもなお魅力的な景観を維持している、成田山新勝寺の門前町に着目した。