室内環境が知的生産性に与える影響（その29）:作業負荷と温熱環境が脳内酸素代謝に与える影響

摘要

1) 作用温度25.5°C、28.5°C、31.5°Cの熱的中立状態より 高温の環境下で、作業負荷のレベルを最高速度と通常 速度の2 段階に設定した被験者実験を行い、精神作業 時の脳内酸素代謝に与える影響を調べた。 2) 総ヘモグロビン濃度変化量は、通常速度と最高速度時 で作業負荷を変化させた場合、25.5°C条件では総ヘモ グロビン濃度変化量は変わらないが、28.5°C条件およ び31.5°C条件では、最高速度時が通常速度時よりも有 意に総ヘモグロビン濃度変化量が高かった。 3) 最高速度時と通常速度時の差について検討したところ、 31.5°C条件が25.5°C条件よりも、最高速度時と通常速 度時の差が有意に大きかった。また、メンタルワーク ロードの主観的指標であるRTLX と総ヘモグロビン濃 度変化量の間に正の相関が認められた。