腹腔鏡外科手術支援システムに関する研究: （第3報）腹腔鏡操作用インタフェースの試作と基本タスクによる操作性評価

摘要

腹腔鏡外科手術において，カメラ助手を必要とせず術者本人が一人で腹腔鏡操作を行えるシステムの開発が望まれている.我々は，前報において，腹腔鏡外科手術を行っている術者の顔を「腹腔鏡映像を映し出すモニタ画面に平行に置かれた仮想的な移動平面内を動くマウス（顔マウス）」と捉え，画像ベースの非装着•非接触型の新しいインタフェース：FAMOUS(FAce MOUSe)の基本概念を提案した.続いて，腹腔鏡外科手術を行う術者の顔の動きを非接触で自動認識するために，1台のカメラより得られる動画像から術者の顔特徴（左右の目の虹彩，手術帽に付けられたマーカなど）を実時間で検出•追跡するシステムを開発した.以上を踏まえ，ここでは，FAMOUSによる腹腔鏡操作の実際について詳しく述べ，複数の被験者による提案システムの操作性評価実験結果を報告する.