ニコニコ動画における観光関連情報のマスコラボレーション分析 ―「車載動画」タグと地名タグの共起状況の分析―

摘要

近年、利用者コンテンツ投稿型サービスが人気を集めている。このようなWeb サービスでは毎日大量のコンテンツが投稿されており、膨大なコンテンツが集積し続けている。こ中でもニコニコ動画については、ユーザーの投稿による初音ミクの大規模な協調的創造活動( 濱崎ら2010)や、コンテンツのN 次創作(濱野2008)と呼ばれるマスコラボレーションの発生が指摘されている。また、このようなWeb 上のコンテンツのマスコラボレーションが実空間での人々の行動を誘引する可能性を筆者は指摘しており(池田ら2011)、今後、マスコラボレーションと実空間や行動との接続性を視覚化することで、このような現象を拡大していくことができるのではないかと考えている。濱野(2012)はニコニコ動画におけるマスコラボレーションを構成するコモンズを媒介する触媒としての機能がタグにあると指摘しており、このことから、タグと実空間の接続性を示すことで、コモンズに対しマスコラボレーションと実空間との接続性を示すことができるのではないかと考えられる。