鏡板の耐圧限界強度から破損漏えい挙動までの評価手法の検討(3) 貫通亀裂の開口挙動の分析による簡便な漏えい率評価手法の検討

摘要

原子力プラントにおける格納容器(CV)は，放射性物質を内包する機器から漏洩が生じた場合，周辺環境との間を隔てる安全上重要な役割を担う．ここでは，高速炉のCV バウンダリを構成する機器である鏡板に着目してそのバウンダリの機能維持限界圧力(耐圧限界強度)の評価手法について検討する．さらに，環境への影響評価という観点から鏡板のバウンダリ機能喪失(貫通破損)後の漏洩挙動の簡便な評価手法を検討する．本稿では第3 報として，貫通亀裂を生じた試験体による実験から得られたいくつかの圧力レベルでの漏えい率データをもとに，開口亀裂長さ，圧力等をパラメータとする簡便な漏えい率評価手法を検討する．さらに，本研究の評価手法の精緻化を図るための今後の課題を検討する．