歴史都市ウィーンにおける現代建築の貢献のあり方:ミュージアムクオーターの再構築計画の変遷を通して

摘要

ウィーンにある世界最大級の複合文化施設であるミュージアムクオーターは、21 世紀初頭の再構築計画によって、全体のプロクラムが刷新されただけでなく、市民に親しまれる空間として画期的な成功を収めている。しかし実施に至る間には、特に建物の外観に現れる現代の造形を巡って多くの論争が巻き起こり、案も紆余曲折があった。この計画案の変遷を追うことで、歴史都市における現代建築の貢献のあり方についての示唆を得ることを本論文の目的とする。