羽州浜街道の民家の瓦屋根に見る景観特性 -由利本荘市を中心として-

摘要

文化庁では2003 年農林水産業に関連する景観を「文化的景観」と定義し，2004 年文化財保護法を改訂して「文化的景観」を文化財に含め各都道府県の調査を行った．秋田県では11 件の２次調査が行われ，大館市の「矢立峠の秋田杉林（森林景観）」，三種町「山本町のじゅんさい採り（池沼景観）」，大潟村「八郎潟（複合景観 – 大潟村の大規模営農の水田・桃の木台砂丘と八郎潟・大潟村の整然とした総合中心地の集落）」の３件が重要地域に選定されている．また文化的景観の中には，農林水産業等の第１次産業に関連するもののみならず，都市等に展開する第２次産業・第３次産業に関連するものもあることから，2005〜2007 年に「採掘・製造,流通・往来及び居住に関する文化的景観の保護に関する調査研究」が実施された．その２次調査で，秋田県の中では中・近世において米を中心とする農産物の移出港として栄えた「角間川本通り」（大仙市）が連結（ネットワーク）景観として選ばれている．