小規模小中一貫校における異学年交流の実態に関する研究: 0～15 歳が学び育つ京都大原学院を事例として その2

摘要

小規模校は児童生徒の人間関係の固定化や、切磋琢磨して互いに力を高め合うことができないなどの悪い印象を持たれがちであるが、小規模校だからこそできる、きめ細かで幅広い異学年交流が日常的に行われていることが明らかとなった。休み時間には、学年ごと又は近い学年同士で集団が構成される傾向があるが、次第にそれぞれの集団が混ざり、異学年交流が見られた。学校への愛着度が高い児童生徒ほど異学年交流を盛んに行っている。また、小学生にあたる学年の方が、異学年交流の記憶や印象が強く残っていると考えられ、よりSmall-scale Combined elementaryschool 高い値の結果となったと思われる。このような異学年交流を生み出す理由として、年1 回行われる運動会や文化祭といった学校行事だけでなく、毎日の学校生活の一部として行われている縦割り活動が大きな影響を及ぼしていると思われる。また、児童生徒が中心となってつくり上げる行事も、豊かな異学年交流を生み出すものとして大切であると考える。