狭バンドギャップポリマーの合成と物性(18)有機薄膜太陽電池への応用に向けた狭バンドギャップポリマーの合成

摘要

近年、エネルギー問題や環境問題が深刻化しており、化石燃料に代わるクリーンエネルギーである太陽電池に期待が集まっている。当研究室ではこれまでピロール(Pyr)と2-スルホベンズアルデヒドナトリウム(BS)の付加縮合から得られる共役系ポリマーが研究されていた。この共役系ポリマーは1000nm 以上の吸収をもつ狭バンドギャップポリマーである。また太陽光のエネルギー分布から求められる短絡電流とバンドギャップ(Eg)の関係より、Eg=1.0eV が太陽電池に使用するのに最も適していることが分かっている。本研究では太陽光の長波長領域の変換が可能な有機薄膜太陽電池の作製を目指して、Eg＝1.0eV 付近のポリマーの合成を行った。また、ITO/PEDOT:PSS/狭バンドギャップポリマー:PCBM/Al の構造の有機太陽電池を作製した。