ポルフィリン－イミド分子による金ナノ粒子の機能化と物性評価

摘要

ポルフィリンのメソ位にナフタレンジイミド（イミド）が連結した分子は、ポルフィリンが電子供与性、イミドが電子受容性を示すこと、さらにそれらのπ 平面が直交していることから、独特な電子機能を有する。当研究室では、このポルフィリン－イミド分子と金ナノ電極で単分子接合を形成させ単分子電気測定を行い、これが単分子ダイオードとしてはたらくことを見出した[1]。すなわち、ポルフィリン－イミドの直交した分子平面は、HOMO とLUMO を局在化させ、一方向にしか電流を流さない特性（整流性）を発現することが分かった。一方、過渡吸収測定の結果からポルフィリンで光励起された電子がイミド側に流れ込み電荷分離状態を実現できることが報告されている[2]。