鉄系強磁性半導体を用いたスピンバイポーラトランジスタにおけるスピン依存伝導特性

摘要

スピントランジスタは磁化方向に依存した出力特性を持つため，高密度高速不揮発性メモリや再構成可能な論理回路などへの応用が期待されている。p型強磁性半導体(Ga,Fe)Sbとn型強磁性半導体(In,Fe)Asを用いたpn接合スピンダイオードが，磁気抵抗比が500%を超える超巨大磁気抵抗効果を示した一方で，その伝導特性は江崎ダイオード的なオーミック特性であったため，これらの強磁性半導体のみではスピントランジスタへの応用が困難である。本研究では，結晶構造や伝導率に関して既存の半導体と親和性が高いこれらの強磁性半導体と，非磁性半導体を組み合わせることによりスピンバイポーラトランジスタを作製し，そのスピン依存伝導特性を評価した。