DNAアブタマーを用いた簡易カドミウム分析手法の開発

摘要

カドミウム(Cd)は四大公害病のひとつである「イタイイタイ病」の原因となった金属であり，近年では高濃度のCdを含んだ汚染米がアジア地域で問題となっている.ま た日本国内でも2011年に水質環境基準健康項目にお いて0.01 mg/Lから0.003 mg/Lに，2014年に一律排水 基準において0.1mg/Lから0.03 mg/Lに引き下げられ, 注目が集まっている.現在，Cd分析の公定法は原子吸 光光度法，ICP発光分光分析法，ICP質量分析法であ る.これらの方法には，装置および分析コストが高い，オ ンサイト分析ができない，サンプルの前処理に長時間を 要するといった問題があり，より安価で簡易なCd測定法 が求められている.そこで本研究では，特定のターゲット に特異的に結合する一本鎖DNAであるDNAアプタマ ーに着目し,Cd用DNAアプタマー(Cd-4)を用いて， Cd標準液を用いて検量線を作成することを試みた.