看護教育におけるeラーニング導入前後の学習活動状況の検討 : 看護大学生の自己学習活動,学習活動への支援ニーズ,情報リテラシーに焦点を当てて

摘要

本研究では,看護大学生の自己学習活動,学習活動への支援ニーズ,情報リテラシーに焦点をあてeラーニング導入の前後で比較することでユビキタス・オン・デマンド学習支援環境における学習活動状況を検討した。分析の対象は,2年次から4年次の学生でeラーニングの導入前が308名,導入後が252名である。分析の結果は次の通りである。自己学習活動では, eラーニング導入後に2年次と4年次の学生では自己学習時間が延長し,2年次生の疾患,看護技術,3年次の検査に関する図書の利用頻度が高まる傾向を示した。学習活動への支援ニーズでは,4年次生の「看護技術のウェブビデオを学外から参照できる」,「参考図書をもっと紹介する」がeラーニング導入後に低下した。情報リテラシーに関しては,eラーニング導入後に情報活用の実践力の表現力と発信・伝達力が4年次生で,判断力が3年次生で高くなり,電子メディア活用に関するスキルは3,4年次の学生で向上した。情報倫理は,3年次生でWebコンテンツの著作権,インターネット上の情報の引用方法,インターネットや電子メール等の利用マナー,情報の信頼性への関心が高まった。ラーニング導入に伴う学習環境の変化は,看護大学生の自己学習活動,学習活動への支援ニーズ,情報リテラシーに影響していることが示唆された。