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【2h】

複数のコンピュータ学習支援者による協調的学習支援に関する研究

机译:多个计算机学习支持者的协作学习支持研究

摘要

本論文は、申請者が電気通信大学大学院情報システム学研究科在学及び勤務期間、さらに山口大学教育学部において進めてきた複数のコンピュータ学習支援者が介在する学習場における協調的学習支援に関する研究の成果をまとめたものである。人間の学習活動では、単に知識やスキル、問題解決の方法を暗記的に獲得するだけではなく、他者とのインタラクションによって、知識やスキルを定着させ、問題解決の理解を深めていくプロセスも重要である。実世界の学校や社会における教育・学習場面では「複数の仲間と一緒に学ぶ」、「複数の教員や専門家から異なった見方や考え方の教示を通して学びを深める」、あるいは、「担任教員から叱咤され学年主任から励まされる」などという、他者とのインタラクションによる協調学習や、複数の教員や専門家からの効果的な協調的指導・学習支援がごく自然に行われている。近年のICT技術の進歩によって、学習支援システムにおいて学習者がインタラクションする他者として、実世界の人間教授者や学習者だけでなく、システムや仮想環境、現実環境も含まれるようになり、複数の他者とインタラクションを行う学習場の提供や、複数の他者とのインタラクションによる学習支援を行うなど様々なタイプの学習支援システムが提案されてきている。しかし、複数の他者とのインタラクションから効果的な学習や学習支援を提供することを目指す立場から考えれば、ある学習支援機能を有した個々のシステムとして提案・開発されるだけでは不十分であり、(複数の)学習者が存在する学習支援システムにおいて、複数のコンピュータ学習支援者(学習支援機能を有する学習支援システムの機能部品、学習支援エージェント[Pedagogical Agent])による有用な協調的指導や学習支援が整理され、協調的学習支援のためのインタラクションモデルやそのモデルを実行するメカニズムが提案されることが必要であると思われる。そこで本研究では、学習者の知識・スキル獲得活動、思想活動や学習者間の相互作用を誘発・活性化するために、それらの活動を支援するコンピュータ学習支援者による協調的学習支援を実現するためのフレームワークと協調的学習支援手法、さらに学習支援環境の構成方法を提案することを目的とする。特に、学習支援において有効な協調指導・支援(協調的学習支援)について、協調指導・支援に関する知識とその運用知識を整理して、それらの知識を利用して協調指導・支援を実現するメカニズムを提案し、複数の教え手が存在する利点をいかした効果的な学習支援の実現を目指す。本論文では、本研究の目的を達成させるために、以下に示す4つの調査・研究・開発の成果がまとめられている。(1)複数のコンピュータ学習支援者による学習支援に関する研究動向の調査(2)複数のコンピュータ学習支援者による協調的学習支援フレームワークの提案(3)協調的学習支援フレームワークを組み込んだ協調的学習支援型教育システムアーキテクチャの設計(4)協調的学習支援型教育システムアーキテクチャに基づいた教育ソフトの開発事例(1)では、複数のコンピュータ学習支援者が介在する学習場における学習支援に関する研究動向を調査した。はじめに、個別学習及び協調学習を対象にした学習支援システムアーキテクチャと学習支援機能についてまとめた。特に、学習支援システムにおけるインタラクションのタイプを分類し、協調学習に関する協調支援機能と学習場に関する標準化についてまとめた。また、ネットワークやマルチメディア、モバイル・タブレット端末などICTを活用した学習や教育(e-Learning)における教授学(e-Pedagogy)の概念をまとめ、メンターやファシリテータと呼ばれる学習支援者の役割と機能について分類した。さらに、コンピュータ学習支援者を利用した学習支援システムに関する研究について、コンピュータ学習支援者の数、役割、機能の観点から提案されている学習支援環境及び機能について整理した。これらの整理・分類等を踏まえ、協調指導・支援(協調的学習支援)に関する本研究の位置づけを行った。(2)では、複数のコンピュータ学習支援者による協調指導・支援を実現するための協調的学習支援フレームワークを提案した。はじめに、現実の学校現場で行われている複数の教員が協力しあい児童・生徒集団に授業を行う方法であるティーム・ティーチング(T.T.,Team Teaching)の指導・支援技術と利点について説明した。次に、複数の人間教授者が学習者を支援する学習実験の対話事例から、人間教授者間、学習者・人間教授者間のインタラクションで必要となる学習支援目標、学習活動行為や学習支援行為を抽出して、学習支援プランを作成するための人間教授者間のインタラクションパターンや人間教授者と学習者間のインタラクションパターンを整理した。さらに、グループ学習を複数の学習支援者で協調的に支援する教育実践事例から、複数の学習支援者による協調的学習支援プロセスを検討し、協調的学習支援を「支援の立場」「学習支援の目的」「支援の形態」の3つの観点から整理した。これらの学習実験や教育実践を踏まえて、協調的学習支援の構造をモデル化して、複数のコンピュータ学習支援者による協調的学習支援フレームワークを提案し、そのフレームワークの構造、機能と仕組みについて説明した。そして最後に、協調的学習支援の実行イメージについて述べた。(3)では、協調的学習支援を実現するための学習支援環境の構成方法について検討し、コンピュータ学習支援者を組み込んだ協調的学習支援型の教育システムアーキテクチャを開発した。そこでは、教育システムの4つの機能部品(教材知識、学習者モデリング、教授知識、インタフェイス機能)及び協調的学習支援機能のタスク整理、コンピュータ学習支援者の内部構造モデル、コンピュータ学習支援者間のインタラクションモデルについて検討し、設計した。(4)では、協調的学習支援フレームワークを組み込んだ複数のコンピュータ学習支援者による協調的学習支援型の教育システムアーキテクチャの事例として、プログラミング学習支援環境とゲーム型協調学習支援環境を開発し、協調的学習支援の動作について確認した。プログラミング学習支援環境では、個別学習に対して、学習支援システムの機能単位でコンピュータ学習支援者を構成する学習支援環境を設計・開発した。また、コンピュータ学習支援者間及び学習者・コンピュータ学習支援者間のインタラクションモデル及び協調学習支援フレームワークの実装例として、グループ学習に対して、ゲーム型協調学習支援環境を設計・開発し、コンピュータ学習支援者による協調的学習支援を実現した。以上より、学習者の知識・スキル獲得活動、思考活動や学習者間の協調・競争活動を誘発・活性化するための複数のコンピュータ学習支援者による協調的学習支援フレームワークを示し、システム開発を通して協調的学習支援の振舞いを確認することができた。
机译:None

著录项

  • 作者

    鷹岡 亮; Ryo Takaoka;

  • 作者单位
  • 年度 2016
  • 总页数
  • 原文格式 PDF
  • 正文语种 ja
  • 中图分类

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