Analysis of vibration in power saws by multidegree-of-freedom system (I) : Comparison between several anti-vibration systems

摘要

チェーンソーの防振構造を解析し, より防振効果の優れたものを模索した。現在, 我国で使用されている機種の中より防振構造の異なる機種を選び振動加速度, 起振力, 防振構造の諸量を測定した。防振構造の特徴, 防振効果等を測定より得た前後ハンドル比, コンプライアンス, 周波数分析, さらに理論演算によるハンドルに伝達される力の推定値で考察した。1. ハンドル把持部での振動加速度値は防振構造内の共振に影響され, 前後ハンドルで異った傾向を示すが, その間には一定の規則性が見られた。2. 防振構造の特性を示すコンプライアンスより, 6自由度系の剛体モデルはある程度の意義が確認された。しかし, 実際のコンプライアンスは防振構造が弾性体として種々の固有振動数をもってふるまうため, 剛体として取り扱えない面が存在していた。3. 防振ハンドル各部の固有振動数が常用回転数域にあると, その周波数を機関回転数とする際に振動加速度値は共振によって増大する。4. 防振ハンドルの重量がより大きいタイプの防振構造は振動加速度値がより小さいという傾向を示すが, ハンドルに伝達される力はハンドルと機関本体との質量比が不釣合なたあ大きくなると考えられる。