Immunohistochemical localization of epithelial membrane antigen, carcinoembryonic antigen and secretory component in urinary bladder cancer

摘要

膀胱移行上皮癌においてEMAの表層細胞の内腔側表層細胞膜における染色性と深層の腫瘍細胞の細胞質内の染色性の2つはそれぞれ移行上皮癌の異型度・深達度との間に最も高い関連性をもっていた.CEA, SCもそれらの染色性と異型度,深達度との間に一定の相関はあったが,移行上皮癌のgradingと浸潤性の指標として,EMAがCEA・SCに比してより有用性が高かった.ホルマリン固定パラフィン切片でEMA, CEA, SCの抗原性の保存は良好であり,TUR-Btにより得られたHE標本で腫瘍の浸潤性を判定することが難しい症例では,これら抗原の免疫組織化学的局在を検討することは補助診断として有用であった