口腔内·上気道，閉塞型睡眠時無呼吸

摘要

咽頭の開通性には咽頭周囲の軟部組織量と上顎·下顎の大きさのバランスが重要である."二重あご"の発見とマランパチ分類が解剖学的アンバランス発見に有用である.中心性肥満患者では肺容置低下も咽頭閉塞性増加に関係する.睡眠時呼吸障害のなかで閉塞型睡眠時無呼吸（obstructive sleep apnea ： OSA）は臨床上最もよく遭遇する呼吸異常である.多系統委縮症など神経内科領域の疾患では喉頭が閉塞部位となる場合もあるが，多くの場合，咽頭気道が睡眠時に閉塞する.この睡眠時咽頭閉塞を1晩に何度もかつ毎日繰り返すことにより，さまざまな症状'合併疾患が惹起される.したがって，睡眠時に咽頭気道がどのようなメカニズムで閉塞するかを理解することが，この疾患を正しく理解し，患者を見逃すことなく，正しく診断·治療を進めていくためには重要である.