発作時の対応

摘要

気道の慢性炎症性疾患である気管支喘息は， しばしば感染や抗原曝露を契機に喘息症状(息 切れ，咳嗽，喘鳴，胸部苦悶感)の急性ないし は亜急性の悪化，いわゆる発作(急性増悪)をき たし，時に喘息死をもたらす.吸入ステロイド薬(ICS)をはじめとする抗炎症治療の普及によ つて本邦における喘息死は1990年の5,947人 から2012年には1，874人へと，この20年で 約3分の1に減少した.その一方で喘息患者 は増加し，年間100万人の患者が救急外来を 受診しているまた，発作を予防するための 安定期の治療継続率も低いことが知られている, 本稿では成人における気管支喘息の発作治療に ついて，本邦の喘息予防?管理ガイドライン 2012JGL 2012)での改訂点を踏まえ概 説する.