総論月市がん治療Update

摘要

進行非小細胞肺癌の治療成績は明らかに向上している。2007年に報告された4種類の抗癌薬二 剤併用療法を比較した第III相比較試験での生存 期間中央値は1年前後であった力. PS良好なIV 期EGfR (Epidermal Growth Factor Receptor:上皮 増殖因子受容体）遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌 症例のEGFR-TKI (EGFR-チロシンキナーゼ阻害 剤）投与例の生存期間中央値は約2-3年と著明 に改善している。二次治療に有効な抗癌剤が同定 され実地診療に導入されたことも生存期間の延長 に寄与している。EGFR-TKIに引き続き.EML-4 (Echinoderm Microtubule-associated protein-Like 4)-ALK (Anaplastic Lymphoma Kinase)阻害剤などの 分子標的治療薬が臨床の現場に導入され進行肺 癌の予後の改善に寄与している。さらに，昨年 末，本邦でも免疫チェックポイント阻害剤である Nivolumabが進行非小細胞肺癌に適応拡大され肺 癌治療はパラダイムシフトを迎えている。