力プさル内視鏡を用いた大腸蠕動運動評価一過敏性腸症候群の 客観的評価に向けて一

摘要

過敏性腸症候群（IBS)の実臨床では症状から判断して治療を行うが，客観的な診断評価法が求められている。今回健常人とIBS患者で行つたカプセル内視鏡(CE)の全 大腸画像をレト'ロスぺクティブに解析を行い，両者を 比較してIBSの大腸運動状態の把握と運動変化の客観的 評価を試みた。対象はCEを行った健常人10名（A群） と，旧Sの可能性ありと診断された7名（B群）を桧ぃ上 げ，その撮影結果から検討した。平均便通回数は（囫/ 日）はA:B=1.0:1.5であった。方法は内視鏡でみられる 蠕動パターンにっきA, B群間で比較検討した。結果， 大腸内における粘膜面の詳細観察は便が充満すること により困難であつたが，上行結腸の内容物においてA 群では泥状便，B群では塊状便が多い傾向がみられた。 結論として，CEを用いて腸管の内視鏟像，蠕動運動を 客観的評価することで，IBSの病態に迫り正確な診断が できる可能性が考えられた。