腫瘍幹細胞におけるシグナル伝達を標的とする新しい治療法開発

摘要

白血病をはじめとした種々の腫瘍において「腫瘍幹細胞」の存在が明らかになってきた、腫瘍組織は多様な細胞集団から構成され，纏わずかな自己複製能と多分化能を持つ「腫瘍幹細胞」が，大多数の有限の分裂脳しか持たない塵瘍細胞を供給する幹細胞システムが形成されているとされている。腫瘍幹細胞が同定され制御機構の解明が飛躍的に進み，腫蕩幹細胞を標的とした新たな治療戦略が開発されつつある，その中で，2008年我々はPML（Promyelocytic leukemia）が腫瘍幹細胞の静止期維持に重要であり，その薬理的標的は化学療法への感受性を冗進させる事を見出した。本稿では最新の知見を踏まえて腫瘍幹細胞シグナル伝達機構及び標的としたアプローチについてまとめてみたい。