ユニバーサルデザインと段ボール包装

摘要

近年わが国の急速な高齢化とともに，「すべての人に使いやすいデザイン」というバリアフリーとは異なる概念であるユニバーサルデザインの考え方が定着してきた。 なんらかの障害をもつ人に対して配慮するだけでなく，障害の有無を問わずより多くの人にとって平等に使いやすく配慮する考えであるが，これを取り入れた商品も数多く販売されるようになった。完成した製品の使用に関しては，人が合わせるというプロダクトアウト的な考え方はもはや通用せず，利用者の使用性を考慮して製品を作るユーザビリティーの時代へと変化して来ており，パッケージも決して例外ではない。 しかし，内容品である商品はユニバーサルデザインであっても，そのパッケージまで配慮されていない場合もある。パッケージは子供から高齢者に至る幅広い人々が手にするものであり，より多くの利用者にとって使いやすさを配慮することは必要条件であり，パッケージメーカーとしての使命と考える。