春まき小麦の赤かび病毒素（DON）汚染低減に向けた当面の対策

摘要

平成14年5月に厚生労働省は小麦に含まれるデオキシニバレノール（DON，ドンと呼ばれる）の暫定基準値を1.1ppmと設定した．この基準値は，FAO／WHO合同食品添加物専門家会合（JECFA）で定められた暫定的最大1日耐容摂取量と，国民栄養調査による小麦の1人当たりの1日摂取量，さらに小麦から小麦粉を製造する際のデオキシニバレノールの減少を考慮して，科学的知見に基づいて定められた．さらに厚生労働省では，生産者が自主検査によってこの基準値を上回る製品を流通させないよう指導している．