日本における雇用問題の分析及び解決策

摘要

今日の日本においては雇用による問題は経済の問題だけではなく、深刻な社会問題にもなり、雇用をめぐる検討はますます日本の各業界の最も苦悩で厄介な課題になりつつある。その雇用現状を見ると、終身雇用と非正規雇用は雇用市場において、ともに大きな割合を占めている。日本の雇用状態の研究や雇用問題の解決については、終身雇用と非正規雇用の検討を離れば語れないのは現状である。
　　日本の雇用制度に関する論説はいろいろあるが、終身雇用制度の崩壊論は盛んになっている論説の一つである。他に、「不在論」、「持続論」などがある。実は、両制度の一方を取り除けば問題の解決にはならない。本論では日本の終身雇用制度と非正規雇用制度のそれぞれの変遷の歴史及び各利点並びに欠点を説明した上で、今の日本は両制度のいずれかの一方を取り除けば問題の解決策にならないことを示す。また、日本の終身雇用制度と非正規雇用制度の両立をサポートした以上、双方は融合の状態で日本の雇用問題、たとえば就職難、非正式従業員と正社員間の格差、中高年女性の就職、企業コスト低減などの雇用制度による問題を解決することを目指すべきだと主張する。

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はじめに

Ⅰ、研究の動機、目的と意義

Ⅱ、日本の雇用現状並びに問題

Ⅲ、先行研究

第1章 終身雇用制度の発展及び雇用問題

1.1 終身雇用制度の変遷

1.1.1 終身雇用制度の成長期(1945－1960)

1.1.2 終身雇用制度の成熟期(1960－1974)

1.1.3 終身雇用制度の不安定期

1.2 終身雇用制度の利点及び欠点

1.2.1 終身雇用制度の利点

1.2.2 終身雇用制度の欠点

第2章 非正規雇用制度の発展及び雇用問題

2.1 非正規雇用制度の概念及び特徴

2.2 非正規雇用制度の変遷及び現状

2.2.1 非正規雇用制度への制限（第二次大戦後－1960）

2.2.2 非正規雇用制度の確立(1960－1974)

2.2.3 非正規雇用形態の拡大と加速発展(1974－2006)

2.2.4 終身雇用制度との並行（2006－今日）

2.3 非正規雇用制度の利点及び欠点

2.3.1 非正規雇用の利点

2.3.2 非正規雇用の欠点

第3章 雇用制度の融合趨勢及び雇用問題の解決策

3.1 雇用制度の融合現状

3.2 雇用問題の解決に向けて

3.2.1最低賃金制度

3.2.2ジョブカード制度により正社員をめざす

3.2.3ハローワークの専門性の確立

3.2.4中高年への保護

3.2.5職業訓練の多様化

3.2.6長期雇用者数の増加

3.2.7ワークシェリングの理念

3.3 実施の難点及び方法

3.3.1 制度実施の無力

3.3.2 正社員への移行に直面する壁

3.3.3 不十分な保険制度

終わりに

参考文献

致谢