航空母艦「龍驤」

摘要

ワシントン海軍軍縮条約では空母にも保有量制限が設けられたが、基準排水量1万トン以下の小型空母は制限外とされた。そこで日本海軍は、大正14年(1925年)に「若宮」の代艦として計画された水上機母艦を小型空母に変更して建造することとした。こうして計画された「龍驤」は昭和4年(1929年)11月、横浜船渠にて起工。『時の「龍驤」は公試排水量9800トン、搭載機24機、速力30ノットとして設計されたが、建造中の昭和5年(1930年)にロンドン軍縮条約が締結される。本条約で1万トン以下の空母にも保有制限が課せられたことから、「龍驤」を小型空母として建造するメリットはなくなってしまった。そこで軍令部は「龍驤」の設計を見直し、格納庫を一層增やして二層とし、搭載機を36機(+補用12機)へと増加させた。これにより浮力の低下が懸念されたことから、兵装を一部変更するとともに、航側にバルジを設けることになった。